どこへ行くにしても、必要になるのは「お金」。カナダに留学や旅行でいく時にも当然必要になります。さて、そんなお金についての話ですが、皆さんはカナダで買い物をする時にどのくらい消費税がかかるかご存知ですか?5%?10%?それとも北欧のように25%?税率によっては買い物で消費するお金も大きく変わってきます。実際にカナダに行く前に予備知識として頭に入れておきましょう。
カナダの消費税は3種類ある
まずはカナダの消費税の仕組みについて紹介します。カナダにはGST、PST、HSTという3つの消費税の種類があります。それぞれ見ていきましょう。
GST(連邦税)(Goods and Services Tax)
GSTとは連邦税のことで、国に納税する税金のことです。カナダ全土で共通のもので、どこにいても何かしらのモノやサービスを購入する時に一律5%課税されるものになります。しかし、購入するモノやサービスによっては非課税になるものもあります。例えば、食料品、公共交通機関の運賃、電気料金、医者や歯医者の処方箋で購入する薬、チャイルドケア・教育サービス、治療器具などは非課税となります。
PST(州税)(Provincial Sales Tax)
PSTは州税のことで、住んでいる州に支払う税金のことです。
HST(統合売上税)(Harmonized Sales Tax)
HSTとは統合型売上税のことで、連邦税と州税が統合されてものと考えてもらえればと思います。
カナダの消費税にはこの3種類があり、課税のパターンとしてはGST+PST、またはHSTというパターンになります。以下に各州の税率を一覧にしたので、自分が住む州の税率を参考にしてみてください。(各州の州税一覧)
いかがですか?思ったよりも高いでしょうか?ちなみに、連邦税が5%というのは世界的に見るとかなり低い数値のようです。高い国だとハンガリーの27%というものすごい数字が。。。
また、カナダの値段表示は全て「外税」です。なので、実際の支払額は表示価格より増えるのでカナダに行った際には注意しましょう。
※外税とは
商品の値札の総額が税抜きで表示されていること。内税と外税の違いは、商品やサービスの価額に消費税が含まれて表示されているのか、別なのか、という違いについてをいいます。
さらにチップも払わないといけないの!?
連邦税も払ってるし、州税も払った。これで一安心。
ではないのです。
カナダにはチップを払う文化があるのです。。。そう、税金の他にもお金がかかります。日本の心付けとは違い、チップは必ず払うものとして認識されています。相場も高いものだと20%になるところもあります。
税金がかからないものもあります!
「税金は日本よりも高いし、しかもチップもあって生活できるか不安。」という方へ朗報です。カナダには品目によっては税金のかからないものもあるのです。以下がPSTもかからないものの一覧です。
PSTがかからない品目
本類
- 本
- 電子書籍
- 雑誌
食事
- 外食
- ケータリングサービス
- お菓子類
衣類
- 衣料(子供サイズ)
- 衣料(15歳以下が買った大人サイズ)
- 布おむつ
- 靴修理
- 洋服直し
- ドライクリーニング
- 古着(100ドル以下の購入)
通信系
- テレビ伝送サービス
- 固定電話代
その他サービス
- 清掃サービス
- ホームセキュリティーサービス
- 電気代
- 改築
- ガーデニングサービス
- 除雪
- パソコンソフトウェアー修理サービス
移動
- タクシー
- BC州発の国内電車・バス
- BC州発のアメリカ行フライト
- チャイルドシート
- ガソリン・ディーゼル
- 住宅建設
- 不動産手数料
- 薬(頭痛薬・風邪薬など)
- ビタミン・サプリメント
- 女性美容品
レジャー
- キャンプ代
- 映画入場料
- イベント入場料
- メンバー加入料(ゴルフ・ダンス・ジム・空手など)
- 音楽レッスン
- 自転車
- スポーツヘルメット
- スキー用手袋(子供)
- アイスホッケーリンクレンタル
- マッサージセラピー
- フィットネストレーニング
- ヘアサロン・理髪店
式
- 葬式
- 輸送費
嗜好品
- 煙草
- 葉巻
- ニコチンパッチ
その他
- 特定の学校用品
- 断熱材
- 緊急箱
- 住宅用火災警報器
- 家庭菜園
また、公的サービスのような位置付けで税金の対象にならないものもあります。下記が税金の対象にならないものの一覧です。
- 中古住宅
- 医療費用
- 子供の保育園料などの託児サービス
- 橋、道路、フェリーの使用料
- 学費
- 音楽教室
- 保険などの金融サービス
税金がかからないものがなかなか多いなという印象ではないでしょうか。こんなに税金が免除されるものが多ければ、生活もそれほど困らない、かもしれませんね。
海外旅行者には一部税金が還付される制度もあり
実は2007年までは海外旅行者がGSTの一部を還付してもらえる制度がありましたが、現在では配布されてしまっています。ですが、宿泊費にかかった税金の50%は還付される仕組みはあります。還付の対象は下記の二つの場合です。
- カナダ居住者ではない者の旅行であること
- カナダ在住の組織や法人ではなく、従業員や顧客のために使用した旅行パッケージであること
これらどちらかに当てはまる場合で、下記の全ての条件に当てはまれば還付を受ける対象となります。
次の全てを満たす必要があります。
- 対象となる旅行パッケージを購入していること
- 短期の旅行パッケージであること
- 申請時もカナダ非居住者であること
- 税金を除いて$200以上支払っていること
- 必要な書類を申請期限までに申請が完了していること(書類は英語かフランス語のみ)
申請方法は、下記から資料をダウンロードし、レシートと一緒に郵送する、となります。
資料のダウンロード
場合によっては、そこそこのお金が返ってくる場合もあるので、手間を惜しまない方は頭に入れておいて、申請してみてください。
買い物をするときに気をつけるべきことは?
必ず、レシートを取っておきましょう。還付や申告の際に必要になるかもしれないので。ある個人事業主の方はレシートを取っておく棚を設けているくらい、レシートを取っておいてます!いつか使うかもしれないと思い、最低でも1年分は保存しておきましょう。
まとめ
消費税もGST、PST、HSTと種類があったり、税金の他にもチップを払わなくてはならなかったりと、日本と違う、カナダならではの文化や仕組みがあります。何も知らないで行くと、無知が故に損をしてしまうこともあるので、旅行や留学に行く前に事前に概要だけでも頭に入れて現地へ向かいましょう。
P.S
カナダは税金が高くて、他にもチップを払わないといけない、とネガティブに思ってしまいますが、視点を変えて自分が働いている立場として考えると、良いこともあります。チップでもらった金額がバイト代を軽く超える、いわばボーナスのような場合もあるようです。実際にカナダ在住の日本人の方にインタビューして見ると、月に700ドルくらいもらったという話もありました。かなりハッピーな話ですよね。